牛から抽出されるプラセンタ
現在、日本で販売されているプラセンタ商品は豚や馬由来のものが一般的です。また安全性の高い植物性や魚由来のものも注目されていますね。
かつてはこの中に“牛から抽出されるプラセンタ”も含まれていました。
ですが、今は牛由来のものは使われていません。
牛のプラセンタはどんなものなのか、なぜ使われなくなったのか…その理由についてご説明していきます。
牛からとれるプラセンタ、昔はメジャーだった!
牛プラセンタとは、もともとは“牛の胎盤”という意味です。サプリや化粧水に配合されている“牛プラセンタ”は、その牛の胎盤からとれるエキスのことを指します。
胎盤とは妊娠した時にできる組織のことですね。
お腹の中の仔牛を育てるための成長因子や、豊富な栄養が含まれています。
牛は年に何度も出産することが可能です。
そのうえ一度にとれる胎盤の量も多く、プラセンタを生産するには最適な動物だったと言えます。
豚や馬よりも希少性が低く安価で提供できるため、多くの商品に使われていました。
牛プラセンタ、現在使われていない理由とは…
多くの商品に利用されてきた牛プラセンタですが、なぜ現在は使われていないのか…。その理由は“狂牛病(牛海綿状脳症)”の流行にあります。
狂牛病は脳にたくさんの空洞ができ、運動機能の低下や異常行動が見られ、最終的には死に至る病気です。
英国で感染した牛が発見されてから、日本でも、平成13~21年までの間に36頭もの感染牛が見つかりました。
人に感染することは非常にまれで、牛プラセンタによる感染例も報告されていません。
ですが安全性も確立されていないことから、厚生労働省は2001年から牛の胎盤を原料に使うことを禁止しています。
このことから牛から抽出されるプラセンタは姿を消し、現在では豚や馬からとれるプラセンタが主流となっているのです。
品質の良いプラセンタを選ぶことが大切
牛プラセンタは現在海外でもつくられていません。間違って購入することもないと思いますので、心配はないでしょう。
ただし感染症のリスクがあるという点は他の動物にも言えることです。
例えば今最もプラセンタの原料としてメジャーな豚も、絶対安全とは言えないのです。
「よく見かけるから」
「安いから」
という理由で選ぶのではなく、どんな環境で管理されていたのか、どんな製造方法でつくられたものなのかなど、品質をしっかりと確認してから購入しましょう。